拡大する通販市場で起こる物流課題の対応事例

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【EC/物流関連企業 マーケティング担当者向け】
こんにちは。神田です。
ネット通販は国内だけでも10兆円を超す巨大市場になりました。市場の成長に伴い、周辺市場にも影響が出てきました。8月17日の通販新聞には、ネット販売チャネルを中心に通販市場の拡大が続く中、ドライバー不足や宅配の再配達問題など物流課題の顕在化が紹介されています。

この課題に企業はどう対応していけばいいのでしょうか。自社でECを展開する企業、ECモール運営企業、宅配事業の取り組みをまとめました。

自社EC展開企業「ユニクロ」の取り組み


「ユニクロ」を運営するファーストリテイリング社は、セブンイレブンと組んで店頭での受取を可能にしていく予定です。
消費者は家で荷物が届くのを待つことから解放され、企業側では、再配達率の低下につながります。


ECモール運営企業の取り組み


アマゾンジャパン(東京・目黒)は既に2008年7月から、ローソン、ファミリーマート、ミニストップなどでの店頭受け取りサービスを展開しています。

一方、楽天は、ヤマトホールディングスと連携し、購入した商品をファミリーマートやサークルKサンクスなど全国約2万店のコンビニなどで受け取れるようにしていくようです。こちらは、ヤマトのEC事業者向けソリューション「YES!(Yamato Ec Solutions)」により実現するものです。そのため、楽天市場の出店店舗が商品の店頭受け取りに対応するには、YES!の導入が必要になります。

また、楽天は日本郵便と組んで、受取ロッカーサービス「はこぽす」を展開しています。郵便局内に設置されている受取専用ロッカーで好きな時間に受け取れるサービスです。(※郵便局によって時間に制限があります)

いずれも、ユニクロとセブンイレブンとの連携と同様に、消費者は家で荷物を待つことから解放され、企業側では、再配達率の低下につながります。

宅配便事業社の取り組み


宅配便事業社が独自で行っている取り組みもあります。ヤマト運輸の「クロネコメンバーズ」です。
宅急便が届く前に「お届け予定日・時間帯」をeメールで受取人に知らせ、受取人は受信したeメールから、都合に合わせて受取日・時間帯や受取場所を変更できるのです。
これにより、再配達率の低下を狙えます。
利用者にとっても、一旦不在通知を受け取る時間ロスがなく、迅速に荷物を受け取れるメリットがあります。

このサービスは利用するたびにポイントがつくのです。
新しいサービスを利用者に浸透させるためには、ポイントプログラムが有効です。

「クロネコポイント」が秀逸な点は、このポイントプログラムが、企業課題とリンクして設計されており、配達時の課題点「再配達率」のみならず、発送依頼時の課題点「コモディティ化」の解決もターゲットにしている点です。
荷物を発送する際にも、受取時と同様にポイントがたまります。
宅配業は、コモディティ化が進んでおり、サービス内容での差別化が難しい状況にあります。
その中で、「受取時にたまったポイントと同じポイントがたまる」という動機付けで発送時にも自社サービスを使ってもらうことを狙っているのでしょう。

一方、懸念としては、ポイントの使いみちが消費者の満足を得られるか、という点です。
たまったポイントの利用方法としては、もれなくもらえるオリジナルグッズか、一般商品があたる抽選へのエントリーがあります。
この方法はコストをコントロールすることが可能ですが、消費者にどれだけ魅力的に感じていただけるかが、このポイントプログラムが成功するかどうかの分岐点かもしれません。

再配達率低下を狙った事例の紹介とあわせ、物流企業において企業戦略とポイントプログラムがリンクづけられている事例の紹介でした。
貴社ではどう「物流リスク」に対応していくか、貴社ではどうポイントプログラムを企業戦略と結びつけるか、検討の参考にしていただけれると幸いです。